ADK 本の感想

【本の感想】なぜ、富裕層はスイスにお金を預けるのか?(著者:高島一夫、高島宏修)

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また読みました。

1回目3回目も書いた、オフショアバンク・プライベートバンク関係の本のレビュー。

 

今回のは2015年6月に発行した本で比較的新しいものです。

 

プライベートバンクの商品よりも、スイスでの実態やプライベートバンクとは何かの説明が多かったイメージ。

 

 

どんな本?

本の簡単な紹介です。

高島一夫さん、高島宏修さん、共著の「なぜ、富裕層はスイスにお金を預けるのか?

 

日本ではHSBCやCitiバンク等、プライベートバンキングが撤退していますが、スイスには逆に資産が集まっているようです。

 

なぜ、富裕層はスイスにお金を預けるのか?

富裕層が預けるプライベートバンクとはどういったもので、どのような資産運用のサービスがあるのか?

 

そんな内容について詳しく説明がされています。

 

著者は、日系証券会社のスイス支店で8年勤め、その後、スイス大手プライベートバンクであるピクテ(ジャパン)で5年間、取締役として勤務された方。

信頼できる本当の情報に触れられるはず。

 

 

【本書の構成】

第1章 日本大増税時代へのカウントダウン

第2章 あなたの資産を防衛するために

第3章 スイス・プライベートバンクの真実

第4章 プライベートバンクが生き残った理由

第5章 プライベートバンクで資産を運用する

第6章 プライベートバンクで資産を継承する

第7章 プライベートバンクに口座を開設する

 

この本は以上の構成です。

この中から、関連する話題に触れながら、スイスに預ける理由プライベートバンクが生き残った理由について、その概要をお伝えします。

(以下、プライベートバンクをPBと略すことがあります)

 

 

詳しくは本を読んでください。

 

 

プライベートバンクとオフショア等の違い

プライベートバンク、オフショア、タックス・ヘイヴンなど、似たようなイメージで色んな名前があります。

 

明確に分けられないかもしれませんが、本書の中で用いられている区分をお伝えします。

 

 

海外に資産を分散させたいと思っても、その地域に住んでいない人(非居住者と言います)のお金を預けてくれないことが多いです。

しかし、非居住者にも口座開設を許可してくれるところがあります。

 

それが「オフショア」という地域。

本書では「非居住者に金融機関の口座開設を認め、かつ税金面での軽減措置などのある地域」と書かれています。

 

具体的な場所としては、香港、シンガポール、スイス等が挙げられます。

スイスもオフショアの一部という認識です。

 

 

似たような意味で「タックス・ヘイヴン(tax haven)」という言葉もあります。

これは、tax heaven(税金天国→脱税天国)と誤解されるため、オフショアという言葉を用いられることが多くなったようです

 

ただし、国際金融センターとしての機能を持たない小国や地域については、オフショアよりもタックス・ヘイヴンという言葉が用いられることが多いとのこと。

より小規模な場合はタックス・ヘイヴンと呼ばれがちということですね。

 

タックスヘイヴンは、スイスでは受けられないグレーな資金の受け入れがされやすく、スイスの法律で設定できないトラスト財団の設定・運用などで活用されるそうです。

金融の法規制も緩く運用しやすいので、ヘッジファンドが登記されているのもここが多いのだそう。

 

具体的な場所として、ヴァミューダ、リヒテンシュタイン、マン島、ジャージー島等が挙げられています。

 

必ずしも対立するのではなく、PBの業務と大きな関わりがあるようです。

 

 

 

では、なぜ他のオフショアではなく、著者はスイスをおすすめしているのか?

 

そのあたりを次に示していきたいと思います。

 

 

 

 

スイスに預ける理由

まず、なぜスイスのPBに預けるのかを説明するために、スイスという国の特徴をお伝えします。

 

EU加盟国(出典:駐日欧州連合代表部の公式ウェブマガジン

 

上の地図でヨーロッパの真ん中なのにEUに加盟していない国がスイスです。

ドイツ、フランス、イタリア、オーストリアに囲まれているところ。

 

 

スイスの大統領は持ち回り制で国家元首の機能がないこと、直接民主主義的側面が強いこと等、政治家の暴走で法制度が大きく変えられるリスクが低いと考えられています。

 

この他、永世中立国で他国と一定の距離を取ること、地下に核シェルターがあること、対外的にもリスク管理をしています。

 

財政収支は均衡し、課税強化の見込みも低い

 

このように、世界でも有数の低リスク国家だから、世界の富裕層もお金を託せるのです。

 

 

この他、法律は州ごとに異なりますが、相続税はないことと、非居住者へのキャピタルゲイン税がないことは共通しています。

また、所得税は非常に低く設定されています。

ゼロだと税金逃れとイメージが悪くなるますが、低率ということでそれが無く、セレブに好まれているようです。

 

 

以上のように法制度、軍事、財政収支と、とにかく国家として対外的にも国内的にもリスク管理を徹底していること、また税率も低いという点から、富裕層がスイスにお金を安心して預けているようです。

 

 

プライベートバンクがいくら優秀でも、安全なところじゃないと大金は預けられませんよね。

 

また、法制度が変えられて、海外送金できなくなったり、資産を安定的に運用できなくなっても困りますし。

 

そして財政的にも安定。

2013年のキプロスのように国家財政が不安定で、個人の財産が没収されたら困りますからね(MONEY VOICEさんの記事)。

 

 

この点、私の推し仮想通貨ADKの場合、オフショア銀行のあるケニア・タンザニアは、どうなのだろう?

 

治安の面ではあまり良くないかも・・・

2007年~2008年にかけて、ケニア危機(大統領選挙を発端とする暴動とそれによって叫ばれた政治危機)

2011年~2012年には、イスラム勢力のアル・ジャバブを掃討するため、ソマリア政府も協力の上、ソマリア領内に侵攻。

2013年にはアル・ジャバブによる襲撃

治安情報を見ると良くはない感じ。

 

タンザニアの方が治安はまだ良さそう。

 

その他、法制度や財政面はわかりません。

 

そもそも、世界でもトップレベルのスイスと環境面で比べると厳しいかも。

 

他のオフショアバンクと比べると色々と独自サービスもあるし、良いはず(;'∀')

 

 

プライベートバンクが生き残った理由

プライベートバンクと似たようなサービスとして、ユニバーサルバンクが行う「プライベートバンキング」サービスがあります。

(ユニバーサルバンクとは、ヨーロッパ圏で主流な、商業的な業務と投資的な業務のどちらも行う金融機関のことです)

 

両者が競争をしあい、一時は顧客を奪われたのですが、大規模なユニバーサルバンクにも負けず、リーマンショックにも生き残れた理由について概要を書きます。

 

 

まず、プライベートバンキングサービスとプライベートバンクとはどう違うのか?

 

 

それについて少しまとめてみました。

 

【プライベートバンキングサービス】

日本の銀行の「オールインワン口座」サービスに近いもの。

金融商品はユニバーサルバンクで取扱っているものだけ。

特にアメリカの金融機関では、積極的にリスクをとる運用スタイル

 

【プライベートバンク:PB】

自社の金融商品を持たないので損切が遅れない。

自国のマーケットが小規模なので、世界のマーケットを公平に見て、運用成績が悪いものは使わない、

資産保全と運用のバランスの取れたスタイル

 

運用スタイルが大きく異なりますね。

 

この違いが大きく影響したのは、リーマンショックです。

高リスクな運用スタイルのプライベートバンキングは大きな損失を出したそうです。

自己資産で自己売買もしていたので、顧客資産+自己資産にも損害が出てしまい、その結果、顧客サービスを低下させました。

 

PBは自己売買を行わないので、自らの資産を減らすことはありませんでした。

顧客の資産もハイリスクな運用を行っていた一部を除いて、大きなダメージにはならなかったそうです。

 

プライベートバンク出身の著者なのでひいき目もあるかもしれませんが、リーマンショック以降、このようにしてPBが再評価されたようです。

 

 

プライベートバンキングには、PBほど資産が無くても運用をしてくれますし、きっとその良さがあるのでしょうが、著者はPBを推していますね。

この他、手数料にもふれていたのですが、不明な部分があったので省いておきます。

 

顧客の要望に合わせて、高リスクな運用もできるし、資産保全を重視した運用もできる、そんなところがPBの良さですね。

私にもそれだけの資産があれば、ぜひ利用したいものです。

 

 

 

まとめ

本書の中から、スイスに預ける理由、プライベートバンクが生き残った理由について、概要を説明しました。

 

スイスに預ける理由としては、国家として対外的にも国内的にもリスク管理を徹底していること、また税率も低いという点から、富裕層がスイスにお金を安心して預けているようです。

 

また、スイスの中でもリーマンショックや幾多の戦争を生き残った理由は、目的が「顧客の資産を守り、増やすこと」で、資産保全を重視した運用をしてきたからです。

 

 

今回は本の一部を紹介しました。

本を読むと、プライベートバンクでの各種商品、運用戦略、トラスト・財団・ファミリーオフィスを利用した資産継承の手法等、様々なことがわかります。

興味を持った方は、ぜひご覧ください。

 

 

高島一夫さん、高島宏修さん、共著の「なぜ、富裕層はスイスにお金を預けるのか?

 

ちなみに著者の会社はこちら(回し者ではありません)

 

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